麻雀放浪記

福田和也研究会

学籍番号:71447032 環境情報学部 2年 原 理奈

 

このストーリーに出てくる人間はみんな自由奔放だ。麻雀とお金に振り回される男たちと、男に振り回される女、そして男を振り回す女。

女を振り回すドサ健とそんな彼に夢中なまゆみの関係が私には違和感があった。まゆみの家の所有権までをも賭けに使うドサ健は最低な男だ。そんなことをされていても、健気に彼についていくまゆみは何て可哀想な女なのだろう。私が同じことをされたら、その男を一生信用しなくなり、自分の人を見る目のなさを嘆くだろう。もっとも、まゆみは自分が可哀想だなんてちっとも感じていなさそうではあるが。それが彼女の幸せな生き方なのだろう。

男を振り回す女であるクラブのママの自由さには大人の女性の余裕が垣間見られた。自分の好きな時にだけ坊や哲と遊び、都合が悪い時には相手にしてくれない。最終的には突然どこかへ消えてしまう。見捨てられてしまった坊や哲はショックを受けただろうが、ママとの出会いによって麻雀の腕も上がり、たばこの味も大人の女性も知ることができた。ママのおかげで大人になれたのだ。

私は麻雀のことはさっぱり分からないが、彼らにとってはただのゲームではなさそうだ。お金を賭けることによって、小さな牌はそれぞれの運命を揺り動かすものとなる。麻雀と出会ったことによって、この先の人生が想像もつかなくなる。彼らは勝てばお金が増えるから麻雀をするという単純な理由だけでしているのはなさそうだ。牌に人生を預けるスリル感を楽しんでいるようにも見えた。私にはルールが分からないので、誰が勝っているのかさえよく理解できないレベルだったが、麻雀の戦いに真剣に向かう彼らを見て少し麻雀に興味が湧いてきた。

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