不毛

<色んな意味で不毛な一作>

 『マッドマックス 怒りのデスロード』は1979年に公開されたオーストラリアのアクション映画『マッドマックス』シリーズの第4作目の作品である。世紀末風な独特の世界観と激しいカーチェイス、アクションが魅力的で、本作では歴代の作品に比べ映像技術、撮影技術、特殊メイク技術などが向上していることもあってかなり迫力がある内容となっている。
 結論から言おう。私のこの作品に対する評価は低い。勿論カーチェイスなどのアクション要素や美術面への評価は高い。しかしなんとも、程度が低いというか。
 勢力図とか、政治的な理由とか、そんなのお構いなしに逃走した妾と捕虜をひたすら追い回し、無駄に戦力を割き、削がれを繰り返す。アクション映画の中でもここまで不毛なものも珍しいのではないかというくらい不毛な戦いを展開する。しかも出てくる戦闘兵は皆白塗りに坊主に上裸なのだ。ビジュアル的にも不毛すぎる。
 おまけにこの話の顛末は逃げてきた道を戻って、手薄になっている城を攻め落としちゃおうという戦略が成功することで終わる。なるほど。ため息もでない。早々とパフェの上の部分が食べ終わって、何もかかっていないフレークを食べるはめになっているような。物足りなさ。さらにはこの作品を振り返ってみてマッド(狂気じみている)なのはざっくりとした世界観と敵キャラクターばかりで、主人公のマックスは至って良識を持っているし、シナリオも至ってシンプルなのだ。なんと物足りないことか。バッドエンドでもなんでもとことんマッドな方向に突き抜けない温さ。
 この作品は、特殊な世界観とアクションを楽しむ、強いて付け加えるならば、敵大将の妾である「スプレンディド」を演じるロージー・ハンティントン=ホワイトリーの露出度高めな懐胎姿とその仲間で同じく妾の一人である「トースト」を演じるゾーイ・クラヴィッツの比較的豊満な胸と透け乳首を楽しむのにはもってこいであることは間違いない。是非その魅力を味わいたいという人にオススメする作品である。

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