愉快な女たち

「このごろ、彼氏がそばにいるだけでなんか嫌で。話しかけられるのも嫌なんだよね。」これは私が最近聞いた文句のなかBest of 理不尽な文句である。高校1年生のときから付き合っているカップルの彼女から聞いたもので、普段はまるで小学生の兄妹のように無邪気で仲がいい。来週彼女の誕生日が迫っていて、彼氏の方は歴代のサプライズを超えようとそれはもう涙ぐましい努力をしている。それを(残念なことに)知ってしまっているにも関わらず、この言い草である。いつも思う。女の恋愛に関する文句は理不尽だ。

本来文句を言う人はストレスを発散するために言っているのではないだろうか。鬱屈した気分を誰かに吐き出してしまうことで、人はストレス発散している。しかしである。なんだか女は明らかに恋愛の文句を言うのを楽しんでいる。カフェ等で4〜5人ぐらいで恋バナを盗み聞きすると、たいてい彼氏や元彼氏の文句を言っている気がする。例えば、会いたいと言っているのに構ってくれない、メールの返信をしてくれない、とか。あるいは逆に、連絡してくる頻度が高くてうざい、とか。多種多様な文句があると思うが、大体は理不尽だ。だが、もっと理不尽なのはそれを聞いている本件とは関係ない友人たちだ。1人の友人から聞いた文句を100倍にも1000倍にも膨らませて言いたい放題である。何にも関係ないのに。そして、文句を言ってる割には結構楽しそうなのだ。不思議である。

かく言う私は普段は文句を言わない人で通っている(ような気がする)が、恋愛に関する文句だけはやはり別物である。何か恋愛に関するトラブルが起きて自分が嫌な思いをしたら、とりあえず即連絡である。そうして友人たちとその男を散々に言って、最初は不快な気持ちでいっぱいだったのに最後は大爆笑しているのだ。いやはや、女は本当に怖い。そして不可解だ。しかし同時に、これほど矛盾ばかりの生き物は他にはいないと思うから、女でいることは愉快である。

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