『アストラル・アブノーマル鈴木さん』
みなさんは普段どうゆう映画を好んで観るのだろう。最近よく聞くのは「ボヘミアン・ラプソディ」や「ファンタスティックビースト」などの洋画。あとはAvengersシリーズなどのMarvel映画。伝説的ロックバンドQueenの物語や魔法使いの話、特殊能力者揃いの戦いというのがそれぞれの映画の概要だが、1つ共通していることがある。それ最後どう終わるのかということである。シリーズ物の最終作とかだと、主人公が死んで終わりといった作品も稀にあるがだいたい勝つ。私はそういう映画も観るが、あまりのめり込んで見られない。
そこで今回紹介したい映画は「アストラル・アブノーマル鈴木さん」。監督・大野大輔さんが手掛け、主演女優にauのCMやNHKの朝ドラに出演の松本穂香さんが抜擢されている。その松本穂香さん演じる鈴木ララが田舎町を舞台に周りを巻き込み暴走する、という内容な訳だがまあ展開が読めない。どんな行動をとるのか、どんな反応をするのか、それぞれ一般的という言葉からかけ離れた答えに繋がり、それが視聴者をワクワクさせる。
そんな鈴木ララは自称“グレートユーチューバー”である。最近、よく話題に上がるユーチューバーという職業は動画投稿サイトYouTubeに動画を投稿し、その動画の再生回数や広告でお金を稼ぐ職業であり、小学生が将来なりたい商業ランキングでも上位に入るほどその知名度、人気度は上昇している。ただ我々がよく見ているユーチューバーとは数多くいる。その中から狭き門を通り抜け人気を手に入れた人たちであり、大半は本職としてはやっていけない程度というのを、“グレートユーチューバー”鈴木ララによって知らしめられた。加えて、「メディアは嘘つく生き物だ」という発言や、番組を作るにあたっての誘導尋問のようなインタビューのシーンなどもあり、なにかマスメディアに対する社会風刺のようなものを感じた。
SNSなどの情報に支配されがちな最近の若者にはなにか感じるものがあるのではないかと思う作品である。