今年一番興味を持った事件

 今年、スポーツに関するニュースがすごく多かった。ボクシング連盟、体育協会、相撲…。その中でもやはり記憶に残っているのは、悪質タックルで世間に衝撃を与えた「日大アメフト事件」だろう。私自身、大学スポーツを取材する学生記者。日本大学アメリカンフットボール部という、ある大学の体育会が起こした事件に、とても他人事とは思えなかった。

 事件は日本大学と関西学院大学の定期戦で発生した。今年の56日に行われたこの試合は、第51回目となる伝統の一戦。両校は1955年に大学日本一を決める甲子園ボウルで引き分けてから、宿命のライバルとして切磋琢磨してきた。いわば、慶應にとっての早慶戦のような位置づけだ。だが、その歴史ある試合で、日大選手の過度な反則により、関学選手が全治3週間の怪我を負い、負傷退場させられることとなった。アメフトはチームプレイの格闘技とも呼ばれ、怪我は付き物。スポーツ種目別の事故率でも1位だ。だからこそ、アメフトは反則が多い。この事件において「悪質」と言われるのは、プレーがそのルールから甚だしく逸脱しているからだ。普通、「タックル」というのはボールを持っている選手に対して行われるため、ボールを持っていない状態の関学選手に対して行われた当該プレーは、「タックル」であるのかも怪しい。

 その後、反則行為を行った選手が記者会見をし、日大の監督やコーチが反則を指示したことが明るみになった。さらに第三者委員会の調査から、選手や関係者に対して口封じをしていたことも判明。監督とコーチは解雇され、日大アメフト部と反則選手は今シーズンの公式試合出場停止となった。

 先日退部を表明していた反則選手が練習に復帰したと報道された。このような事件を越えて、選手、チームが成長を遂げ、アメフト界、大学スポーツ界に良い影響を与えることを、「大学スポーツへの理解を得、大学スポーツの繁栄を願う」一個人として願わずにはいられない。

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