誕生日
今日も空は眩しすぎて、風はカラカラに乾いている。俺は何一つ満足ができることがないままに街を彷徨うように歩き続ける。俺の心には暗く長い夜が続いていたんだ。一人、寂しく毛布に包まり、さもしい夜を誤魔化しては儚い夢を少しづつ繋ぎ合わせ見てきたよ。だが、それもある日突然、その夢からは覚めてしまった。
君は壁にもたれながら人の流れを見つめては、「古い傷よ」と誤魔化しながら涙を堪え、ため息をつき続ける。そんな君がどこか俺に似ていたんだ。複雑な世の中の仕組みからいつしか溢れ落ち、笑う事さえ忘れていたこの俺に。
黒い噂が次々に日ごとに現実に変わり、落ちるところまで落ちてきたけれども時は刻まれ続ける。深く重い絶望が続いては、君の笑顔に救われたんだ。そんな中、俺の想いは一つの予感に震え出し、動き出す。
不思議なお前の不思議な魅力に俺の心奪われた。
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