行きつけの飲食店
私は22年前に辻堂という土地で生まれ育った。今では映画館や商業施設が出来たり、湘南新宿ラインの開通で東京へのアクセスもよく湘南エリアにおいて最も注目されている地域でもある。10年前に辻堂が開発され始め大型商業施設テラスモールが完成するまでは我々が遊ぶような場所は少なく、放課後にみんなで空き地に集まったり隣町の映画館まで自転車で通っていたものだ。そんな何もなかった辻堂には昔から決して繁盛店とは言えないもののなぜか潰れない辻堂マジック店があり、我々の胃袋をがっちりと捕まえてくるお店がある。
その店は辻堂駅南口徒歩5分の裏道に店を構え基本的には学生の客が多いく、リーズナブルな値段からは考えられないような衝撃が走るラーメン屋だ。私が初めてその店に足を運んだのは13歳の頃。当時、野球部に所属していた青木少年はある日の放課後練習の後に先輩達とそのラーメン屋に行く事になりそこで私のラーメン人生は180度変わった。それまで青木少年が知っていたラーメンは、醤油ベースのスープにチジた細麺・めんま・ナルト・卵が入っているいわゆる中華そばのようなラーメン。だがしかし、その店で食べたラーメンは家系ラーメンと呼ばれる豚骨醤油のスープに中太麺。まさに革命的出あった。毎日部活後に腹を空かせている我々にとってそのギルティーな味わいはとても刺激的、気がつけば部活の仲間とその店に通う事が楽しみになっていた。
1番人気はラーメン。値段は700円で学生にはライスがサービスで提供される。圧倒的な濃い味スープに絡み合う中太麺と各種野菜のバランスはベストマッチで濃い味ながらもどんどんすすれる。見てわかるほどのホロホロチャーシューをライスと共に食べればこれまた絶品、卓上調味料を駆使すれば色々な楽しみ方が出来るのも現代のラーメン屋のいいところだ。是非私の世界観が変わった原点であるこの店を一度尋ねてほしい。
その名も「ラーメン南」。