フェルメール展
福田研究会 フェルメール展
71635015青木輝
2018年10月から日本美術展史上最大となる「フェルメール展」が開催されることになった。そして今回、17世紀オランダ黄金時代の巨匠、ヨハネス・フェルメールの作品の1/4となる8点が東京上野にやってくる。これは2008年に東京都美術館で開催された93万人の来場者を記録した「フェルメール展」の7点を超える数字だ。ヨハネス・フェルメールは別名「光の魔術師」「光の画家」とも呼ばれることもあり、そんなフェルメールの作品を一度にこれだけ見ることが出来るのはとても貴重な機会であると言えるだろう。
私の今までの人生は、もっぱら美術とは無縁のサーフィン生活で、美術に関していえば全く知識がない。フェルメールの作品でいえば、祖母が持っていたポストカードに写っている“牛乳を注ぐ女”を昔に見て、辛うじて作品の色合いを記憶していた程度だ。
そんな私が実際に展示会場へ行くと妙な緊張感を覚えた。真っ白な空間を抜けた先にはフェルメールの作品の数々が薄暗い壁紙に神々と展示しているわけだが、人生初の美術作品を見た私のファーストインプレッションは感動!、でも素敵!、でもなく「ちっさっ!」。手軽に持ち運び出来てしまいそうなほどのお手頃サイズ作品が緊張感ある空間を侵略していた。しかも1番大きい作品はあの有名な”牛乳おばさん”ではなく”キリストおじさん”。
しかしながら美術的感性皆無の私だからこそ、今回とても考え深く作品を見られた。あの名前も知らなかったドデカい作品名はキリストおじさんではなく、フェルメールのデビュー作”マルタとマリアの家のキリスト”。そして、私が辛うじて作品の色合いを記憶していた“牛乳を注ぐ女”は赤や黄を特徴にしていると思っていたが、実際に見てみれば窓から注ぐ優しい光を「光の魔術師」として増分に表現し、ほかの何色でもなく白色が特徴的であると改めて感じた。彼の描く暖かな光の表現、美しい女性の表情をみなさんにも是非会場で感じて欲しい。