バットジーニアス
バットジーニアス
71635015青木輝
バッドジーニアスという映画をみなさんは知っているであろうか。タイトルを直訳すれば「悪い天才」。このタイトルを見ただけでなぜか心がそそられる。世界16の国と地域でサプライズ大ヒットを記録し、そのうち、中国・香港・台湾・ベトナム・マレーシア・ブルネイ・マカオ・フィリピンではタイ映画史上歴代興収第一位の座につきアジアを席捲した“カンニングエンターテイメント”だ。
一人の天才少女、リンの小さなカンニング手助けから物語は大学統一入試STICでの壮大なカンニング作戦にまで発展するわけだが、なんせ彼らが繰り広げるカンニングテクニックが面白い。一体、誰がピアノレッスン方や時差を使ったカンニング方を思いつくであろうか。きっと全く予想もつかないようなカンニング作戦が我々を飽きさせずにハラハラさせてくれるのであろう。そして、どんな映画であってもやはり面白い作品というのは臨場感あふれるものになっていると私は思う。
今回私が最も関心を持った人物はパットであるわけで、彼は裕福な家庭で何不自由なく生活してきたいわば“勝ち組”な訳であるがとにかく頭が悪い。お金でリンに協力を持ちかけ結果的にSTICの試験で1460点を叩き出すことができたが、果たしてこれは彼にとって本当の幸せなのであろうか。いっそのことSTICの試験に失敗して親父にぶっ飛ばされた方がいいのではないかと思う。確かにお金は何をするにも必要であり、お金を持っていて損はない。でもパットのようにお金に生きてしまうようでは、近い将来に痛い目に合うであろう。この作品においてもパットとリンを結んでいたものは友情ではなくお金であったがために最後はリンをも失ってしまった。
私から言わせてみれば今のパットは完全な“負け組”である。お金があればなんでもできるという根本的な人格を直すことが今彼に最も必要なことであり、リンを失ったあの時に本当の幸せに気が付いて欲しいと考えながら私は作品を見ていた。