アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」は、フィギアスケート界に起きたライバル襲撃事件を元にした映画だ。監督はクレイグ・ギレスビーで、この映画はアカデミー賞の3部門にノミネートされたらしい。

主人公のトーニャ・ハンディングは全米から賞賛され、その後嫌われてしまうという稀有な経験をした実在の人物だ。賞賛された理由は、全米選手権でトリプルアクセルを成功させたから。嫌われた理由は、オリンピックの選考を兼ねた大会でライバル選手の襲撃に関わったとされたからだ。

この映画では、その経緯をインタビュー形式で時系列的に描いている。主要な登場人物は4人いて、トーニャ、ラヴォナ(トーニャの母親)、ジェフ(トーニャの元夫)、ショーン(ジェフの友人)である。フィギアスケートシーンも躍動的で魅力があるが、先にあげた4人の登場人物の個性が強くそこに惹かれる。言いかえれば無関心でいられず、自分が好きか嫌いかがはっきりと感じられる。それほどに個性が強い。

まず、男性陣について述べたい。私は精神的に軟弱なこの2人が好きでない。ジェフは躁うつ病のように感情の起伏が激しい。トーニャに暴力を振るう一方、離婚すると泣きながら愛を訴える。ショーンは誇大妄想狂で、ある事をしたら現実的に次に何が起こるか分かっていない。

次に、女性陣について述べたい。私は意志が強く運命に立ち向かう彼女らは好きだ。ラヴォナは頑なでトーニャに対する厳しい態度を改めない。トーニャは襲撃事件で選手である権利を奪われても腐らない。ボクサーに転身して世間に顔を見せ続ける。

結論の見えている映画だが、それでも面白い。その秘訣は個性的な登場人物と彼らの絡み合いにあると思う。

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