『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

今年2018年の5月4日から公開された映画『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』は数々の受賞がされた、映画界に稀に見る最高傑作だ。本年度のアカデミー賞だけでなく、第75回ゴールデン・グローブ賞も受賞や英国アカデミー賞なども受賞している映画で、グレイグ・ガレスピー監督によって作成された。

この物語は、実際に存在していたフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディングが起こしたと言われている、オリンピックの代表権をめぐるライバルの襲撃事件の真相が当事者たちのインタビューによって描かれている。また、その中で伝わるトーニャを中心とした人間模様がなんとも皮肉的に出来上がっている。彼女の生活は、フィギュアスケートという芸術さや美しさ、そして理想の家庭環境や家庭の良さという大前提のようなイメージをぶち壊すほど複雑で、そんな中で彼女は世界のステージで競争するのだ。

トーニャは「世界中から愛され、一瞬にして世界中から憎まれた」人物だ。その真相はトーニャとその周りの人間によって引き金を引いたある事件を示唆する。彼女がフィギュアスケートで栄光を勝ち取った姿に興奮する観覧者と、最後に彼女が哀れに敗北していく姿に歓声をあげる観覧者は対比的に「世界中から愛され、一瞬にして世界中から憎まれた」を表現している注目のシーンであった。

『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』のポスターにはトーニャが大きく股を開いて腕を組んで堂々とした面持ちで座っている写真が写っている。彼女の性格がよく現れているとともに、物語が人々に与える力強いインパクトを表現しているように感じられるものだ。エンディングの前にはインタビューを受けていた当事者たちの現在が文字に起こされている。そこにはトーニャの自分への誇りと自信に満ち溢れたエネルギーを受けることができるからだ。真相と周りの人間ドラマだけではない、何か教訓とアピールのような力強さがこの映画にはあって、とても満足することができるであろう。

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