NUDE-英国テートコレクション-

NUDE-英国テートコレクション-

総合4年 長内あや愛

学籍番号71502088

 

横浜美術館で、「ヌード」をテーマにした展覧会がある。「ヌードNUDE-英国テートコレクションより-」だ。「ヌードがテーマ」と聞き、誰しも展覧会に興味を示すことをためらうが、誰しも興味をそそられてしまう題材だろう。

今回、世界屈指の西洋近代芸術コレクションを誇る英国テート美術館の所蔵品の中から、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画、彫刻までの裸体を表現した作品130点がオーストラリア、ニュージーランド、韓国をまわって、日本に上陸。「ヌードNUDE-英国テートコレクションより-」は、西洋近代の「ヌードがテーマ」の芸術の中から、人間の歴史を垣間見る、という前例が少なく挑戦的な試みの展覧会である。

展覧会では、湯船に浸かっている女性の絵、抱き合っている男女の彫刻、神話の中の宗教画など、テーマさながら衣服を纏わない人間の姿が次々と映し出される。大目玉品は、オーギュスト・ロダンの「接吻」。ロダンの代表作であり、世界に3体しかないうちの一体が日本初公開!愛とは、命とは、を人間を用いて力強く表した彫刻に、皆目を奪われていた。

展覧会とはいえ、見る方もためらうわけだが、ふと思った。約200年前の芸術家たちは、製作しながらためらっていたのではないか。まして昔は、裸体がテーマの絵、彫刻は厳しく罰せられた時代もある。3、4年以上もずっと作品と対峙し、何を表現したかったのか。パンフレットには、「身近なテーマだからこそ、今までの芸術家が挑み続けた。」と表現されていた。自分たち自身だからこそ、表すのが難しかったのかもしれない。そう思いながら展覧会をまわっていた。出口に辿り着く頃には、”美しい”ことを伝えたかったのでないか。裸体に魅せられたからこそ、芸術家は製作をしたのではないかと感じた。

 

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