ラブレス

不安と緊張を駆り立てるピアノの音が今でも耳ににり続けている。「ラブレス」はロシアが舞台で僕はロシアの映画を今までに見たことがなっかったので期待し、フライヤーやトレイラーにあった宣伝文句の「幸せを渇望し、愛を見失う。」の意味を考えながらこの作品を見に行った。

両親ともに外で愛人を作り離婚をしようとする。そんな時に自分たちの子供アレクセイを押し付けるのだが、それを二人には気づかれないように聞いていたのである。自分たちの両親が自分を押し付けあって喧嘩し怒声を交わしているのを聞いたら誰だって悲しくなるものだ。そしてアレクセイが家を飛び出したことで物語は動きを見せる。これまで喧嘩ばかりだった両親がアレクセイのことを心配し、一生懸命探すのだった。

それにしても、こいつらは身勝手だ。僕はまだ親になったことが無いからわからないだけかもしれないが、あまりにも自分勝手すぎる。おそらく本人たちも本心ではアレクのことを愛していたはずだ。しかし気持ちは言葉にしないと伝わらない。逆に言葉にしてしまったものは伝わってしまう。一度伝わった言葉は取り消すことが出来ない。だからこそ、この両親はもっと自分の言葉に責任を持つべきだった。

 「幸せを渇望し、愛を見失う。」これは的を得た標語だった。両親はどこまでも自分の幸せのために息子を愛することに失敗したままだった。愛のない家族に育てられたひたすらに愛のないまさに「ラブレス」だ。

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