ウディ・アレン監督はあっさりのがお好き
長い冬が去り、ようやく暖かくなってきた今日この頃。就職活動なんぞどこ吹く風、春眠暁をなんちゃらという言葉通りに私は勝手気ままなニート生活に明け暮れている。そんな折、春というゆるふわな季節にぴったりな映画、『マジック・イン・ムーンライト』という映画を見てきた。名前からしてマカロンのようなふんわりカラフルな感じが伝わってくる。美人な霊媒師役にエマ・ストーン、人気のマジシャン役にコリン・ファースという配役からしても「ワンランク上な私」という層が好きそうな感じ。イメージで言えばエッグベネディクト至上主義者。タコベルに並ばなくてもギャレットポップコーンに並んじゃう。
ここまで散々(私の予想する)客層をバカにしておいて今更な話だが、決してつまらなくは無い作品だった。と上から目線で評してみる。ただ私にとって心地よすぎる映画だった。南仏の穏やかな気候と風景、緩やかに進行していくストーリー、イギリス英語。全てが私の眠気を誘ってしまったのだ。スタッフ、キャスト共に豪華な子守唄のようで、辛うじて意識を手放さずに最後まで観られたものの、何か印象的なシーンがあったかな、と思い返してみても正直大まかな話の流れしか思い出せない。例えるならば性格の歪んだ『若大将シリーズ』と言えば良いだろうか。男が真に受けなくてなんやかんやあったけど幸せなキスをして終了。ハイ!エンドロールです!みたいな何も残らなさ。思えば同じウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』を観た時もこんな感じだった気がする。個人的にもう少しだけ詰めて欲しいのに焦らされる。書いているうちに「もうちょっと何か無かったんか」という気持ちが大きくなってきた。一人でじっくり観る作品というよりも恋人と2人でじっくり観る時に良い作品かもしれない。居たことないから分かんないけど。