魔女のふたたび

メアリと魔法の花を見た。
ジブリ出身の監督の作品だという。ジブリのパクリだとさわがれているから、少し気になったのだ。
確かにジブリの模倣をしているところは多々あった。ラピュタを彷彿とさせるようなシーンから始まり、ジブリ作品同じみのドジな女の子が魔法の国へ迷い込む。夜間飛行という花はさながら飛行石だし、魔法の数々はハウルの動く城で出てきたものそっくりだ。ジブリ好きにはぴったりのパロディだと思われても仕方がないと思う。けれどもジブリ、だと思わなければ面白いと思った。ジブリを知らなければ十分に楽しめる作品だと思った。

私が残念だったのは絵が圧倒的にジブリに劣っていたこと、それから模倣しているがゆえに作った者の自身のなさが露出してしまっていることだった。今回、森のシーンや魔法の建物のシーン等”ジブリ”が得意としている”絵”が多かった。深くおどろおどろしい森だったり、爽やかに風にそよぐ草花だとかジブリを観てきたものは見慣れてきた絵ばかりだった。その質が落ちてしまっていて私は非常に残念だった。どこが悪いとも言えない。何かが劣っていたのだった。ジブリの模倣をして観客にジブリを意識させるなら絵もジブリに適う、又はそれ以上のものを見せてほしかった。

そして模倣していることに対して、だが。模倣していることは”受け継ぐ”という意味では悪いことではないのかもしれない。けれども1シーン1シーン、一挙一動がジブリの模倣だった。オリジナリティが無かったことが悲しかった。”師”を模倣しつつもオリジナリティを出して超えていこうともがく。それが”弟子”としての姿ではないだろうか。しかしジブリという母体が大きすぎるからか、超えていこうともがく姿勢が全く私は感じられなかった。作品を見ていると何度も「これでいいよね?」「これでジブリファンは許してくれる?」というようにお伺いをたてられている気がした。

ジブリの後継だからこそこのようにがんじがらめになっているのかと思うが第二作、つくるのであればぜひとももっともがいてほしいと思う。

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