嘘
「嘘ついたら針千本、のーます」っていうフレーズをみんな一度は聞いたことがあると思う。針千本、そもそもどっからこんな恐ろしい約束事が蔓延したのか。千本って、多すぎやしませんか?そりゃ嘘をつくのは良い事じゃないけど、千本に満たない嘘もあると思うのです。僕はここで、嘘の程度を針の本数でレベル分けしたい。
例えば小学三年生のけんじ君の場合。けんじ君は小学三年生という若さでありながら、幼馴染みのサエちゃんと付き合っています。(まったく、最近の小学生ときたら)けれどけんじ君は凄いプレイボーイ。隣のクラスのサエミちゃんに告白します。「でも、けんじ君はサエちゃんと、」「この前別れたんだ。(キリッ)」はい。この場合の嘘は、けんじ君の年齢と小学生という二人の行動範囲の限界を考慮すると、針50本レベルで許してあげます。
大学生のヒロシ君は、他大の彼女、ユリさんと付き合い始めて約二年。この前ユリさんがつぶやいた「私もいつかは結婚したいなぁ、ヒロシ君」というつぶやきにやや重さを感じています。そんなヒロシ君にはなんと、セックスフレンド=通称セフレなる人がいます。もちろんユリさんはそのことを知りません。けれど大学が違うので少し不安もあります。そんなユリさんはベッドの中でこんなことを聞きます。「私以外の女の人と寝てないよね?」「寝てるわけねーだろ 笑」はい。個人的には1000本のんでいただきたいですね。なんも笑えませんよ。けれど多くの大学生は、こういうことをしているらしいです。二年間大学生として生活する中で色んなお話を聞きました。若気の至り割引が発生してしまい、残念ながらこの場合の嘘は針500本レベル。
年齢や状況によって、嘘に対する罪の重さは変わってくるのかもしれない。そして人は、平気な顔で嘘をつく。嘘だとわかっていて見過ごす人もいる。それだけたくさんの嘘が日常に蔓延している。嘘をつかねば流れからはじかれる。「嘘をついたら針を千本のまされる」本気でそれを信じていたあの頃の自分には、もう戻れない。
福田周平