代理課題
暑くなった。
北国出身のわたしには大変苦しい季節である。
朝はすがすがしくはなく、折角早くに外に出てもぼんやりと暑い。昼は言うまでもなくじわじわと湿った嫌な暑さ。
清少納言は夏は夜といったが本当にその通りだ。朝昼のねばりつくような暑さがやわらいでしっとりとした涼しさに代わる。
虫の音も良い。ホタルの明かりのような素敵なものはないがその空気だけで十分だ。
幼いころ、夏の夜はよく部屋の窓を開けて外を眺めていた。
実家は自然に囲まれており、夜は柔らかな風と、草や夜露のにおいがした。何よりも好きな空気だった。
湘南の夜風に草のにおいも夜露のにおいも存在はしないが、そのやわらかくてしっとりとした空気は未だに私に心地よい。
当時の心地よい空気と、匂いが思い出される。
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