ムーンライト

今学期はじめての課題は、今年アカデミー賞をとった「ムーンライト」。福田研の課題で出題される映画は普段マイナーなものが多いから、今回、「ムーンライト」が課題というのは、嬉しかった。話題作を見たいという思いと、課題を書くために見なければいけないという思いが重なって、何だか一石二鳥のお得感があったのだ。どんな話なのだろうと期待しながら、どの点がアカデミー賞を受賞したのだろうと考えながら、映画館へ向かった。

映画を見終わった後は、「何を伝えたかったのだろう」という言葉で頭がいっぱいになった。私は、この映画を”理解できていない”という腑に落ちない感覚でいっぱいだった。主人公シャロンの成長過程を追っていく話であったが、”オチ”はない。シャロンの経験したこと考えたことを見て、あなたも考えてください、感じでくださいと言わんばかりである。しかし、だからこそ監督の伝えたいことは大きな軸としてあるのだろう。シャロンは、3人の年代が違う役者さんが演じているが、雰囲気と感受性豊かな目に同じ印象を受けた。また、同性が好きだということから浮き彫りになる、世の中のやりきれない思いを考えさせられた。

去年までの私ならば、映画の伝えたいメッセージを受け取れないことがもどかしく、必死に理解しようとした。しかし今は、「これは芸術家にしかわからない感性の映画だ」とまずは思いとどまる。そして、今の私に理解できる点は何かと考える。去年秋学期に福田研で学んだことだ。絵画や小説、映画、音楽は、一見一般人にはその良さがわからないが、不朽の名作と言われるものがある。きっと見る目のある人には”わかる”のだろう。私は、二回目の福田研でその”よさ”が理解できるようになることを目標にしたい。いつか「ムーンライト」をもう一度見たときに、今回気づかなかったことを気づけるようになれるよう、今季も励みたい。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です