『成熟と喪失』

『成熟と喪失』

 

〜 お風呂催促問題 〜

 

「成熟と喪失」というタイトルを聞いて一番始めに、どう逃げ切ってコラムを書こうかということが頭をよぎった。だが毎回逃げてばかりもいられないだろう。それに今回の著者は、江藤淳氏。福田先生の師匠にあたる人だ。読まないわけにいかないだろう。

ということで、書店を訪ねたわけだが、まず在庫がない。どこに行っても在庫がない。こちとら卒論以外にもやることは山積みなわけで、「購入」という第一段階くらい余裕でクリアできないと困る。いくつかの店舗を回ってしまった以上、ここで引くわけにはいかん! と半ばヤケになっている時、ようやく西武渋谷の紀伊国屋書店で「物」を手に入れた。(「新宿」紀伊国屋の安田さん、西武渋谷店に在庫があることを教えてくれてありがとう。)

そんなこんなで提出日の深夜、ガストに籠もっています。絶対読み終わらないだろうなと思いながらも、めげずにページを捲ります。自転車に鍵掛けてないけど盗まれないかな? と不安になりながらも捲ります。隣に座ったおじさんがタイ古式マッサージの話で盛り上がっていても、僕の指は止まりません。池袋のお店は可愛い子がいなくなったという話は、記憶の隅に留めます。

本よりむしろ周りのことが気になって仕方なかったが、ふと、母親に関するエピソードを思い出した。

母親って「お風呂に入れ」って凄いしつこく催促してくるよね。あれ、なんなんでしょうね。きっとうちだけじゃないはずだ! 僕からしてみれば、夜風呂に入ろうが朝風呂に入ろうがどっちだって変わらないわけで。だけどうちの母親は、既に半分夢の中の僕を叩き起こしてまでも風呂に入れと言ってくるのである。

おそらく、世の男子の大半を苦しめたことがあろう、母親のお風呂催促問題。「成熟と喪失」を執筆した江藤淳氏だからこそ、この問題の見解を伺ってみたかった。

 

福田周平

 

 

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