代理課題「スピンオフと崩壊」

公開初日にも観に行ったのですが、どんどん出て来る新しい登場人物の名前を覚えたり、ストーリーを追ったりするのに精一杯だったので、改めてゆっくり観に行って来ました、ローグ・ワン。以下ネタバレ含みますので、これから鑑賞予定の方は自己責任にてお読みください。

 

さて、今回公開された「ローグ・ワン」ですが、2015年公開「フォースの覚醒」以来、ちょうど1年ぶりのスターウォーズシリーズ新作です。ざっくりとしたストーリーは、エピソード4でR2-D2が持っていたデス・スターの設計図はどのようにして手に入れられたものなのか、というもの。40年ごしエピソード4の謎が明かされます。

 

先に結末を公開してから、残された謎を新しい作品で回収していく、シリーズの特徴とも言える手法ですが、新旧3部作の関係と、ローグ・ワンと旧三部作の関係では決定的な違いがあります。今作の方が、決定的に旧三部作とのスパンが短いのです。故に、作品の自由度が非常に低い。今作で初登場する人物は、一人残らず死なせなければなりません。この点が個人的に非常に腑に落ちませんでした。これまでは主要な登場人物はみんなしっかりとした理由(ウィンドゥのパルパティーンとの戦いとか、ヨーダが老衰とか)で亡くなっていました。いわゆる戦争で亡くなったのは、名前も出てこない兵士ばかり。しかも、Xウィングパイロットが追撃されるときなんて、「I’m hit!」というセリフ付きでコミカルに戦死していたので、まるで惨さを感じさせませんでした。それが今作ではまるで違います。名前もバックグラウンドも描かれている主要人物がいとも簡単に死んでいく。遺体も躊躇なく映し出されます。

 

宇宙での「戦争」を描いているシリーズですが、これまで戦争らしい悲惨さを全くと言っていいほど描かず、クールで近未来的な世界観をもって主人公たちの内面にフォーカスしてきました。今作で惨い戦争を描いてしまったことで、シリーズの世界観がある意味崩壊させてしまったような気がしています。

エピソード4をこれまでの3倍面白くしてくれる作品なので、世界観の崩壊に抵抗がない方は是非観てみると良いと思います。

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