クラナハって秋元康なんじゃね?について
「クラナハって秋元康なんじゃね?について」
1月14日土曜日。午後から予定があったので、昼まで寝られる休日の特権は返上して、クラナハ展に足を運んだ。昨日は授業で、他に美術館をもう見に行った人たちのコラムを読んだけど、これまでの「芸術は爆発だ!」みたいな展覧会ではなく、どうやら結構キャッチーらしい。変態だの、エンターテイナーだの、ビジネスマンだの、一体どんな絵を描くのだろう、と心がはやった。
国立西洋美術館美術館の地下二階へと案内されて、探索をはじめた。皆のコラムを思い出しながら当てはめていく過程が、新鮮だった。なおかつ、その視点に思わず頷く。
クラナハは、若くしてザクセン選帝侯に見初められ専属の宮廷画家となり、工房を持ち、息子たちなど、多くの画家を抱える巨匠だった。でも、同時期のルネサンス期を代表するミケランジェロやレオナルドダヴィンチと比べると、どこかヘタ上手い印象を受ける。なぜこの人がこんなに偉いんだろう?って思っていたら、紋章を商標がわりに用いたり、宗教改革が起きたら、宗教画を描くのをやめたり、男性貴族たちを魅了するためにヌード絵画を大量生産したりしていた。この男、流行も読めているし、男どもはいつでも変わらないことをわかっている。特に印象的だったのは女性に生首を持たせてエログロを表現したり、裸体にうすーいヴェールをまとわせてチラリズムを演出したりするその感じ!クラシックもコンテポラリーもいけちゃうのかよ。どれだけ年をとっても、斬新な美を追求するこのおっさんに敬服を示したい。
最初は美空ひばりに始まり、おニャン子、AKB48…。世の男性たちを魅了している裏のおっさん。クラナハって秋元康じゃん!確信に変わった。そして才能を疑ってごめんなさい。彼は確かに巨匠だ。