デトロイト美術館展

ゴッホの絵がメインとなっている宣伝を目にし、下の方の文字を追うと、「モネ・ルノワール・ゴッホ・セザンヌ・マティス・ピカソ」と画家の名前が並んでいる。おや、わたしでもその画家の作品が思い浮かぶような有名人ではないか!これらがデトロイトからはるばる東京でこれらの傑作が一堂に会すとは、なかなか無い貴重な機会ではないか、見る前から期待が膨らむ。一方でよくあるパターンかもしれないが、ゴッホがメインであって、それ以外の画家の作品はあまり知られていないようなマイナーな作品なのかも、、、などという心配も隅にあった。

そのわたしの心配は無用なものであった。どの絵もやはり素晴らしいの一言で、こうして一気に展覧会に集めることがもったいない!と思うほど、その作品一つでも展覧会として成り立つのではと驚いた。作品数が少ないかと最初は思っていたが、一つ一つの作品を堪能するには逆に時間が大いにかかる。印象的だったことは、ピカソの作品で初期の画風からキュビズム、古典主義、表現主義と移り変わっていった変遷を辿れたことが面白かった。見て回っていて、丸みを帯びた色味が優しい絵だなと作者をみたら、あのカクカクとした線でハッキリとした絵を描くピカソであり、一体何がここまで彼を変化させたのかと思い、少し佇んでしまった。

珍しいことに、今回の展示作品は写真撮影が可能なので、人によっては様々な楽しみが出来ることだろう。じっくりと作品を見て味わうのもよし、そしていつでも作品を楽しめるように写真に収めるのもよし、鈴木京香さんの落ち着いた音声ガイドを聞きながら思いを馳せるのもよし。でも、やはり自分の目で直接作品を鑑賞することは本物の色彩や絵具の凹凸など、ネットや写真を通したものとはまた異なる感動を得られるに違いない。(展示方法もケースなどにも納められずに、シンプルに展示してあったので尚更。)是非足を運んでほしい。

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