潰さないでください

慶應義塾大学日吉キャンパス内のゴミ箱には、このような張り紙がある。「空き缶は潰さないでください 空き缶を潰すことが障害者の方の仕事になっています」何か違和感を感じる。これは、「ゴミ拾いを仕事にしている人がいるので、ゴミは捨てられたままにしておいてください」というのと変わらないのではないだろうか。障害者の方々が、空き缶を潰す作業を生業にしていること、それ自体になんら反論はない。ただ、これでは、わざわざ仕事を作っているように感じてしまう。もちろん、仕事の中のある工程を、このような形で障害者に回すのなら構わない。例えば、回収された空き缶の中で潰されていないものを潰すことを仕事としています、というのであれば問題ない(それを宣言することには違和感があるが)。しかし、これではわざわざ不要な仕事を作ろうとしているように感じてしまう。仕事とは、本来必要とされていることを仕事にするのであって、仕事を作るために必要なことを作るものではない。

では、どうすべきだったか。そもそも、私が問題だと思っているのは、この張り紙のことだ。「捨てないでください」ではなく「そのまま捨てて頂いて結構です」という表現で良かったのではないだろうか。その方が、私が抱いた違和感は軽減したように思う。

 

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