私の知らない活気

築地について、見学するまでに私が知っていたことは恥ずかしながら殆どなく、魚の競りをやっている、近々豊洲に移転される、という程度だった。そんな無知な私が実際に訪れてみて印象的だったのは、市場全体の活気だ。
私が普段ならまだ寝ているような時間に沢山のターレットトラック(名前は今ググって知った)が市場内を走り回り、人々が動き回る。あちらでは冷凍された巨大な魚がドンと置かれ、こちらではこれまた大きな魚が解体されていく。魚を入れていた発泡スチロールのゴミが大量に出て、それがブルドーザーのような機体で集積所に押し込まれる。その迫力、その活気は実際に目の当たりにして初めて感じるものであるように思えた。
市場内にあるビルの屋上(?)に上がらせてもらって、上から市場の様子を見ることができた。市場全体は扇形になっており、気になって調べてみたら築地市場が使われるようになった1923年から殆ど見た目は変わっていなかった。地上では一見無秩序に動いているように見えたターレットトラックも上から見ると秩序だって動いているのがわかり、その様子も築地の歴史の中で生まれたものなのだろうか、など考えてしまう。90年以上前のまま今まで続いてきた、と思うと築地の活気も歴史のあるものなのだな、と思わされる。
市場を見学し、その後寿司まで食べて、解散するとまだ10時すぎだったのに驚いた。堕落した生活を送っているいつもの私なら下手をするとまだ寝ている時間である。競り自体は5時から行われているようで、あの活気がそんな早朝から繰り広げられていると思うと、惰眠を貪っているのがもったいなく思えてしまう。築地市場で浴びる久しぶりの朝日は、眩しくも気持ちのいいものだった。

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