モンスター上司

モンスター上司

伊東 宏

これは、「3人の親友たちが、それぞれに最悪な上司に悩まされる」といった、どこの世界にも普遍的に絶対に存在するはずの図式であり、それゆえに共感もしやすい題材であることはたしかです。ただ、それをおもしろおかしく描くというのは、そう簡単なものでもないし、ましてやオチをどこに持っていくか、というのも難しい。でも、この映画はそれを非常にうまくやっています。

 

どこの会社にも嫌な上司のひとりやふたりはいるものだと思うんですけど、この映画に登場する上司は、どれもがみんな現実離れした凶悪さでした。その中でも、ニックの上司役、ケヴィン・スペイシーのパワハラっぷりが最高でした。特に、冒頭でスペイシーがニックにスコッチ(お酒)を飲ませるくだりです。もうね、このシーンのスペイシーが本当にムカツクんですよ。こんな上司、実際にいたら「死ねばいいのに!」って思ってしまうことウケアイです。とはいえこの映画、肝心の部下3人のキャラクターにまったく魅力がありませんでした。

 

何といいますか、デールたちが3人そろってバカばっかりなんですよ。

 

「これから人を殺そう」っていうのに、手袋もせずに上司の家に忍び込んだり、近くの物を不用意に触ったり。素人目で見ても「いやいや、それはないやろ~」というお粗末なミスばかりするんですよね。

 

彼らにスポットがあたる中盤はグダグダすぎて、正直、「見るのをやめようかな」とまで思いました。

 

上司のクレイジーっぷりが笑える最初の20分と「そうきたかぁ!」的な展開が楽しめる、ラストの15分だけ見ておけばいいような映画かな、なんて思いました。

 

 

 

 

 

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