シン・ゴジラ
シン・ゴジラ
伊東 宏
疲れた、、、
なんで怪獣映画をみてこんなに疲れなくてはならないのか。
12年ぶりに作られたゴジラの新作。ウルトラ系以外の怪獣ものというだけでも本当に久しぶり。その間、怪獣映画はアメリカで作られてきた。特に近年は「日本の怪獣映画に影響を受けた」と称する映画「パシフィック・リム」、そのものズバリである「GODZILLA」と立て続けに作られているが、どちらも日本の怪獣映画に似せてあったのは表面的な部分であり、その醸し出す香りはどこか似て非なるものだった。むしろ怪獣ものを名乗っていなかった「ジュラシック・ワールド」に一番それに近い空気を感じたくらいである。とはいえ、前述の2作品が日本のゴジラの復活につながったのも事実であり、あれらにどう応えるのかが今回の最大の注目だったわけである。事前に公開されていたデザインを見る限り、正直期待半分、不安半分だった。
何か作りが異常だと感じた。セリフが大変多いうえに早口で、おまけにカット割りが非常に細かく、セリフの持つ情報を理解する暇を全く与えてくれない。それだけにある種の”お約束”である誰かがセリフを言い終わるまで他の人は話をしない、という映画では当然の演出が浮いて見え、見ていて落ち着かない。劇中意外と唐突にゴジラは現れる。そのゴジラが川をさかのぼる際に押しのけられる船の描写などは新鮮でいいのだが、全身を現したゴジラの姿は単に醜いだけでなく、従来の法則を無視する大変歪なもので、あれがゴジラとは脳が受け入れがたく、「実はゴジラの影響を受けた第二の生物の方で、ゴジラじゃないんじゃないか」と思ってしまったほどである。それだけに立ち上がってきたのはある意味ショックだった。あとになって考えてみれば、総監督の庵野秀明監督は海外のSFや怪獣映画にも詳しい人ですし、世界に売り出すためにゴジラをクリーチャーの定義に放り込むのは必然だったのかも知れないが、そのときはなんか違うものを見ていた感のみだった。
これはあれだ、三回くらい見て、ようやく良作かどうか気づけるやつだ。。。。
また見に行くことになりそうだ、、、