『広瀬すずが「いくらもらったのか」それが問題。』
『広瀬すずが「いくらもらったのか」それが問題。』
福田周平
7月10日参院選でキャンペーンガールを勤めていたのが、今、世代を問わず人気を博している「広瀬すず」だ。駅に貼られているポスターやテレビのCM、一体彼女にどれだけの”ギャラ”が支払われているのか。それだけが気になって参院選どころではない。
投票に行く気が起きなかった。選挙に行って僕が一票を投じることで、広瀬すずに ”お小遣い”が入る気がしてならなかったのだ。「18歳選挙」を大々的に謳い、現在18歳の広瀬すずをキャンペーンガールに採用したのなら、広瀬すずのファンが投票に行けば済む話だ。わざわざ僕が行く必要はない。そもそも、広瀬すずは投票に行ったのか? 否、絶対に行っていない。(これは完全に僕の憶測であるが。)自分は投票に行かないのに、逆に莫大なギャラを政府から受け取るなんて言語道断。そのギャラを日本の18歳のボーイズ&ガールズに”お小遣い”として配給し投票に行かせるくらいのことをしてみればいい。
親という存在は、やはり偉大だ。「あんた、明日選挙行きなさいよ。」体たらくな息子であっても一票の権利を持つことに変わりない。一票は一票であると見事に割り切っている様子が伺える。しかし今回ばかりは僕も負けてられない。広瀬すずに唆されてたまるか。「いやー、広瀬すずが広告やってるからなんか行きたくないなー」「・・・。」
翌朝、19歳の弟と22歳の僕、そして年齢非公開の母とで”仲良く”投票会場へ向かう。母親は怖い。後々嫌みを言われるくらいなら広瀬すずに魂を売った方がましだと思わせてくる。しかし僕の心中は穏やかでない。こうなったら「広瀬すず」と名前を書いて投票箱に入れてやろうと意気込む。
しかし、母親にすら勝てなかった僕だ。そんな度胸のあることができるはずもなく。父親に頼まれた人物へ一票。残るはAV女優みたいな名前の女性議員に惹かれつつも、無難な政党で安牌を切る。
結果的に有権者としての任務を無難にこなした僕ではあるが、既に誰に投票したのかも覚えていない。日本の行く末が不安である。