ジャージーボーイズのあれ
オヤジ世代待望の作品がやってきた!ヤァ!ヤァ!ヤァ!
『ビートルズ』以前、世界を席巻していたグループ、『フォーシーズンズ』。彼らの栄枯盛衰を描く映画が公開された。『ジャージーボーイズ』という作品だ。本場ブロードウェイで大成功したミュージカルが原作ということで私は、「また歌と踊りだけでストーリーが薄い映画か」と少し気持ちが重くなった。いやさ決して歌と踊りのテンションで乗り切る作品が嫌いなわけでは無い。決して。ただボリウッドはもうちょっと短くできるとは思う。何はともあれ私の予想はいい形で裏切られた。登場人物の感情が高まっていきなり歌いだすということもなく、ミュージカル映画ではなくミュージカルが原作の素晴らしい映画だった。
詳しいストーリー解説は尺の都合上省かせてもらうが、端的に言ってしまうと、話は典型的なサクセスストーリーの前半とこれまた典型的な転落劇で構成されている。よくよく考えなくても目新しさはない。しかし往年の名曲を要所要所で出されるとそんな無粋な突っ込みは忘れてしまう。『シェリー』がヒットを飛ばせば嬉しくなるし、『君の瞳に恋してる』を聞けばそのバックグラウンドにある悲しいエピソードと相まって目頭が熱くなってくる。
ちなみに私のお気に入りのシーンはグループの作詞作曲面での要であるボブ・ゴーディオが参加するあたりのシーンだ。「ちょっと聞かせてみろよ」から「なんだコイツすごいぞ!」となり、20世紀最高のグループが誕生する、というよくある流れはどんな作品で観ても気持ちが盛り上がる。最後のロックの殿堂でのシーンもこんなドラマティックな再会あるわけないだろ!というぐらい少年心に火をつけて胸の鼓動が収まらなかった。少年漫画で胸を熱くできる類の人間は是非私の挙げたシーンに着目して拳を握りしめてほしい。まずはYoutubeで彼らの曲を聞いてみることから始めよう。曲にハマりすぎてシャワーで気持ちよく歌っていると親に心配されたり近所で噂になってしまうので注意しよう(中学の時の実話)。