ROOM

今回、私は桜木町でこの「ROOM」を観賞した。原作は、エマ・ドナヒューの小説「部屋」を彼女自身が脚本化し、アイルランド出身の映画監督レニー・エイブラハムソンが映画化した作品だ。作品は、第40回トロント国際映画祭観客賞をはじめ、190の賞にノミーネート、74の賞を受賞。ゴールデングローブ賞、アカデミー賞も受賞している。
主な登場人物は、学生時代に誘拐、監禁された“ママ”(ブリー・ラーソン)と、その後生まれた5歳の息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。物語は彼らの納屋での監禁生活からはじまり、その生活からの決死の脱出、そしてその後、というふうに進んで行く
ポスターには「はじめまして、【世界】」というフレーズがある。生まれてから5年もの間、小さな納屋での世界しか知らなかったジャックには、脱出後きっと素晴らしい未知との体験が待っているのだろうと想像してしまう。今まで見たことのないような美しい景色、美味しい食べ物、同年代の少女とのロマンスさえあるかもしれない。しかし、そのような期待は見事に裏切られてしまう。はじめてみる外の世界にはジャックを魅了するものはなかなか見つからない。しかし、だからと言ってジャックは不幸なわけではない。なぜなら、映画の冒頭から彼はずっと幸せだったからだ。むしろ、ジャックは外の世界に来ることで、今ある一番大事な幸せが脅かされるのを恐れはじめてしまう。彼は、私たちが広い世界を見すぎたあまりに、苦しくなっているのを教えてくれるように思う。

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