オノヨーコ 私の窓から

對馬好秀

環境情報学部4年

 

 

オノヨーコ 私の窓から
東京都現代美術館で年末年始に渡って開催されている今回の展覧会。これはオノヨーコという人物のそのアーティスト生涯を示すものである。

 

と言ってはみたものの正直なところ自分はそもそもオノヨーコという人物を今回の展覧会に行くまでジョンレノンの妻という浅はかな情報しか知らなかった。オノヨーコは日本でコンセプチュアルアートの先駆者でありその評価は世界的に高く、ジョンレノンの妻となる前からアーティストとしてその名を轟かせていたそうだ。
今回の展覧会にあたってその程度のことを頭に入れて拝見したところ、どうやらこの展覧会は自分のようなオノヨーコをよく知らない人へ向けた展覧会なのかもしれないと思った。それはこの展示物が逆時系列であったということ。まず最初は彼女の“今”が紹介されていた。彼女は今でもアーティストとして活躍しているということをまず自分はここで始めて知った。その後、ジョンレノンと出会った後の作品、ジョンと出会う前、学生時代と続いて行く。
自分はこの逆時系列がどうも「私はジョンレノンの妻として名が知れているわけではないんですよ」と言われているような気がした。それはおそらくここにある作品に共通して感じた「シンプルさ」とそこから生まれる「メッセージ性の強さ」を感じたからだろう。

オノヨーコの作品はどれも基本的にシンプルだという印象を受けた。だからこそ、そのあえて手が加えられていると感じる表現方法が強く印象に残った。正直コンセプチュアルアートは良くわからない。もっと言えばオノヨーコがこの作品の数々で具体的にどのようなメッセージを与えたかったのか今でも疑問のままである。が、強いメッセージ性があるということだけはとにかく伝わってきた。

 

そもそもこういった作品に対して素人である自分がそのメッセージをそのままに解釈できるとは思っていない。が、だからこそ伝わってきたオノヨーコという人物。彼女がこの展覧会を開きそれを見てジョンレノンの妻としてではなく今も活躍し続けるオノヨーコというひとりのアーティストとして自分の中で再認識されたことが自分にとってこの展覧会の最大のメッセージではないかと感じた。

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