シカゴ
総合政策学部 4年 澤津 勝人
アカデミー賞作品賞、助演女優賞、美術・装置賞、音響賞、編集賞、衣裳デザイン賞などの受賞したのがこの映画である。これら受賞も納得がいくほどダンスも音楽も豪華で華やかなミュージカル映画であった。舞台は1920年代のシカゴである。舞台スターを夢見るロキシーは彼女のスターになる夢につけ込んできた男に騙された事に気がつき、怒りに身を任せた結果、男を銃殺してしまうところから話が始まる。それから、彼女は留置場へ送られるのだが、そこで憧れであったスターのヴェルマと遭遇するのである。ヴェルマも殺人で捕まっており、シカゴで知らぬ者はいない敏腕弁護士ビリーを雇い弁護させていた。それを真似ようとしたロキシーは、夫エイモスを使ってビリーを雇うことを決心する。こうして、ロキシーはマスコミの同情を買い、シカゴ史上最もキュートな殺人犯として獄中から一世を風靡する。スターの座を得たロキシーはヴェルマを見下すが、マスコミの関心もすぐに新たな殺人鬼に移ってしまう。ロキシーは注目を再度集め見事無罪を勝ち取る。しかし直ぐに人々の関心は移り、彼女はヴェルマとコンビを組み、華やかな舞台で歌い踊るのだった。
この映画の見所は、もちろんミュージカルである。主役を務めたレニー・ゼルウィガーはこの映画まで歌もダンスも未経験、キャサリン・ゼタ=ジョーンズは妊娠中と二人ともディスアドバンテージを抱えているにもかかわらず、それを感じさせない圧巻のダンスであった。特にキャサリン・ゼタ=ジョーンズはダンス・シーンで顔が隠れると観客から吹き替えだと思われるのを避ける為にショートボブ・スタイルにしている。その意気込みは刑務所でロキシーに人気を奪われなんとか彼女にすがろうとしている顔から感じられた。確かに殺人は罪だが、成り上がる為になら殺人さえも利用する彼女達の貪欲な夢への強い思いは見習うべき点であると言えるのではないのだろうか。