男と女の思考の違い
男に生まれ落ちると、これはまあくだらない誕生日プレゼントを貰ってしまうものだ。高校生の時に、「モテるために男が読むべき本」を貰った。余計なお世話だが、読んでみると中々に面白い事が書いてある。なんでも男と女は脳の構造が違うらしい。男は理屈で物事を考え、女は感情で物事を考えるらしい。
本作、『黄金のアデーレ』ではマリアという女性と、ランディという男性が登場する。マリアは叔母であるアデーレの絵を取り戻したいという想いから、ランディは弁護士としてのキャリアや金の為に東奔西走する。
この時点から既に男女の差異を感じられるが、銀幕上の映像が進むに連れてさらに如実に感じられるようになる。
はじめは「どんな手段でも絵を取り戻せ」と言っていたマリアだが、その 過程でオーストリアに向かうとなると「あそこには戻りたくない、あそこにいくくらいなら絵は戻らなくてもいい」の一点張り。なんなんだこのおばさまは。
そこからのマリアは二転三転、意見が雪玉のように転がる転がる。再びやる気を出したかと思えばランディを解雇する。気分屋にも程があるのではないだろうか、と首を寝違える程に捻ってしまう。
対するランディというと、それはもう対称的だ。彼が男性だからか 弁護士だからかは不明だが、とにかく筋が通っている。理屈が通っている。
だが、感情で物事を考える事が出来ないだろうから、あまり女性ウケはしなさそうだ。そんな彼だが、物語の終盤では大衆の感情に触れるべく、感情で訴えかけている。歩み寄る気持ちを見せた者の勝利だ。
私の意見として本作は、ランディの成長物語で、マリアの不成長物語だ。女性の皆様はどのように感じられただろうか。
環境4年 71247328
原田 健太