黄金のアデーレ

総合政策学部4年

学籍番号71004947

巽大郎

 

「私が本当に欲しかったもの」

20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らすマリア・アルトマン(82歳)が、オーストリア政府を訴えたのだ。国の美術館に飾られてきたクリムトの名画『黄金のアデーレ』を、「私に返してほしい」という驚きの要求だった。伯母・アデーレの肖像画は、第二次世界大戦中、ナチスに略奪されたもので、正当な持ち主である自分のもとに返して欲しいというのが、彼女の主張だった。共に立ち上がったのは、駆け出し弁護士のランディ。対するオーストリア政府は、真っ向から反論。大切なものすべてを奪われ、祖国を捨てたマリアが、クリムトの名画よりも本当に取り戻したかったものとは…

 

この映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』が実話をもとに作られていると予めに知ったうえで観に行った。しかし1週間前に観に行った映画が今作同様に芸術を扱って史実を基にした作品であり、観た感想がとても残念な気持ちになったこともありあまり期待せずに観に行った。しかし今回の映画はとても素晴らしく作り込まれていて感動するストーリーであった。実画『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ(黄金のアデーレ像)』が「オーストリアのモナリザ」と本当に言われているのかは知らないが、作中でそのように評されるほどの名画であることは頷ける。この国宝級の名画に秘められた話に触れ、そこにどんな想いが込められているのかを知ると思わず感動するとてもいい映画であることは間違いない。また、老齢である主人公が、家族を奪われる悲しみやお茶目な一面から確固たる芯を貫き通す姿まで様々な顔を見事に演じた主演のヘレン・ミレンが素晴らしくこの映画を更に感動作品にする重要なファクターであろう。

 

この映画はDVDレンタルが開始してからでも良いから、是非とも観るべき価値が大いにある作品なので自信を持って薦める!

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