欠席課題
環境情報学部4年
對馬好秀
かつて「Noと言えない日本人」というベストセラー作品が存在した。逆に言えばそのくらい他の国の人間は自分の意見をはっきりと伝えられる人が多い。では、Noと言えないアメリカ人をあなたは見たことがあるだろうか?
「イエスマン」
この映画はNoを封じられた男のちょっと数奇な人生の一部である。
主人公は面倒が嫌いな付き合いの悪い男カール。仕事でもプライベートでも常に答えがNoの彼はその付き合いの悪さゆえに友人からも愛想をつかされていたところでひょんなことからあるうさんくさい宗教団体へと足を運ぶことになる。そこでは全ての答えに「イエス」と答えなくてはならないという本当胡散臭い集団。しかしカールはその集団の長と「Noを封じる」誓いを立ててしまったカールは全ての答えに「イエス」と答えはじめる。しかしこのことがカールの人生を大きく動かすことになる。
正直この映画を見ても全ての問いに「イエス」と答えようとは思わない。それは普通にいいことも悪いことも起きているからである。しかし間違いないのは主人公であるカールの人生はこの誓いを建てる前とあととでは大きく変わっている。これは誓いを理由にカールの殻を半強制的に破っているからである。普通そんな問いに「イエス」とは言わない。そう思ってもイエスという彼に帰ってくるレスポンスは想像を超えたものであった。人間は自分にとって未知な世界に対してどうしても構えてしまうものだ。そこで好奇心が勝つ人間もいれば今までの生活に満足する人間もいる。未知な世界がマイナーであればマイナーなほどその好奇心が勝つハードルは高くなる。しかし、この誓いはそんなハードルはお構いなしなのだ。訂正しよう。半強制的ではない。この誓いは強制的に殻を破る行為である。しかし、それで人生が変わるのであれば試す価値はある。かもしれない。